masakimary

静かに過ごしていきたい

場面緘黙症の女子学生が本やアプリなどを紹介するブログです。様々な記事を書いていきたいと考えています。何か気になることやご意見などありましたら、お気軽にコメントしてください。

爆発的な人気を獲得したフリーゲームの金字塔がついに小説化!『ゆめにっき〜わたしの夢にあなたはいない〜』を読んでみた

 こんばんは、masakimaryです。

 今回は、伝説のフリーゲームを小説化!『ゆめにっき〜わたしの夢にあなたはいない〜』を紹介します。

内容ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 扉を開けたその先には、不可解な景色が広がっていた。深い眠りに就いた少女は、ひとり夢の中をあてもなく歩きはじめる…
 扉を開けた少女が、そこで目にするものとはー?

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登場人物ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あなた・・・三つ編み、はらわた色の衣服を着た少女。
夢の中を探索し、様々な記憶や感情の象徴となるエフェクトを集めていく。

わたし・・・語り手。ポニーテールの少女。
あなたには無視されているか、認識されていない。あなたを悪夢から解き放つために手助けしようとする。テントの外に出ると視点だけの存在になる。

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第一部 あなた
 あなたは、小さな部屋に立っている。

 ベッドの中で夢に落ちたあなたは、起きていたときと同じ部屋にいた。
 その後、12の扉がある空間に出たあなたは、扉の一つに入り、様々なエフェクトを発見していく。夢の中を進むうちに景色が変化し、あなたはさらに夢の奥深くへと入っていった。

 再び夢に落ちたあなたは、前回とは異なる扉に入った。吹雪の中、テントに侵入したあなたの前に立っているもの(人物)がいる。


第二部 わたし
 わたしとあなたは、きっと同じ夢を見ているのだから、あなたがわたしのいる場所に辿り着くことも想定していた。
 
 わたしは、あなたのために勉強した心理学を交えて夢について説明する。
 しかし、あなたはわたしを無視するかのように、夢の中を進んでいく。あなたを追いかけながら、わたしはエフェクト集めを手伝っていく。

 あなたとはぐれたわたしは、帽子とマフラーを身につけている黒く塗りつぶされた少女に出会う。
 「わたしは、おおきくなれなかった。だから、あなたはわたしの顔を知らないの」

 「わたしは何も知らないの、知らないまま終わっちゃったから。あなたは全部知ってるはずなのに、どうして知らないふりをするの」

 そう言った少女は、わたしを様々な空間に連れていった。

 「知らないふりをしている限り、どれだけ歩いても無駄。あなたが欲しいものは見つからないの。けして赤の女王には追いつけないのーーー」

 気づくと、わたしは背の高い立体の天辺に立っていて、わたしは少女に突き落とされていた。

 目覚めるとわたしは、病院らしいところにいるようだった。わたしは怯えて暴れた。近くにいる医者が、わたしを眺めていた。

 目を逸らしたい、逃げ出したい。ここが現実なら、夢にしか逃げられない。


第三部 夢日記
 わたしは、白黒の女性と少女に起こされていた。

 「どうしてわたしに関わってくるの?この夢は、あの子の夢でしょ?わたしはあなたたちと同じような、ただの象徴のひとつ。この夢の主人公はあの子だよ」

 「他人の心を誰も覗くことはできないのに、どうしてあなたは他人の夢の中にいると断言できるの?あなたは自分こそゲームの登場人物のように言って、他人を主人公だと言い張っている!」

 狭い部屋に放り込まれて逃げ出したわたしは、いつの間にか真っ赤な世界にいた。
 やがて、あなたを見つけたが、紫色の目玉をした女があなたのすぐ後ろを歩いていた。あなたを助けようとしたわたしは、女に押さえつけられ首を絞められてしまう。

 去っていくあなたの揺れる三つ編みが、何の象徴なのか、わたしは思い出した気がした。
 わたしは走馬灯のように、あなたが三途の川を渡るのを見ていた。そして、あなたが死んでしまったことを、わたしはようやく思い出した。

 再び目覚めたわたしは、心の治療を受けていた。医者に夢日記のことを問われたわたしは、叫んで暴れた。
 わたしの夢にあなたはいなかった。あなたは、高い建物のベランダから飛び降りて死んでしまった。わたしは、何度も同じ夢を見て、目覚めている。

 わたしは、治療を受ける。その途中に景色が激変し、わたしの目の前に宇宙人が立っていた。
 宇宙船の中で夢を見る寸前、わたしは見ないふりをしていた事実と向き合った。
 わたしはあなたを妊娠していた。三つ編みはへその緒、胎児は目を開けられない、あなたはずっと目を閉じたままだった。胎児は、母親のお腹の中で繋がって、同じ夢を見ている。
 だから、わたしたちは同時に夢の中に存在していた。しかし、あなたは流れて落ちて死んでしまった。わたしは、エフェクトを集めて全てを思い出した。

 わたしは深い眠りに落ちていた。何も考えたくなかったのに、本能がこのまま眠ってはいけないと叫んでいた。わたしは宇宙船の外へ出て、夢の最奥へと歩き始めた。

 わたしはお腹に子供を抱えてしまい、ナーバスになっていただけかもしれない。最初から、どうせ死んでしまうのだと諦め、そう思いこんだだけかもしれない。
 わたしは見上げる。そこに胎児のような、わたしの心の一番奥に仕舞いこまれていたあなたがいた。
 わたしは、あなたが自分の夢からいなくなるまであなたと寄り添い、現実で巡り会おうと決意した。