ミステリの女王の最高傑作!『そして誰もいなくなった』を読んでみた
こんばんは、masakimaryです。
今回は、強烈なサスペンスに彩られた最高傑作!『そして誰もいなくなった』を紹介します。
※ネタバレ注意
内容ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
様々な職業、年齢、経歴の十人がU・N・オーエンと名乗る富豪からインディアン島に招待された。
しかし、肝心の招待主は姿を見せず、客たちが立派な食卓についたとき、どこからともなく客たちの過去の犯罪を告発してゆく声が響いてきた。そして童謡の通りに、一人また一人と殺されてゆく・・・
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登場人物ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アンソニー(トニー)・マーストン・・・遊び好きの青年。最初の犠牲者。毒殺される。
エセル・ロジャース・・・トマスの妻、コック。二番目の犠牲者。毒殺される。
マカーサー将軍・・・退役の老将軍。3番目の犠牲者。撲殺される。
トマス・ロジャース・・・オーエン家の執事。4番目の犠牲者。斧で斬殺される。
エミリー・ブレント・・・信仰のあつい老婦人。5番目の犠牲者。注射器で毒殺される。
ローレンス・ウォーグレイヴ・・・高名な元判事。6番目の犠牲者。フィリップの銃で射殺される。
アームストロング・・・医師。7番目の犠牲者。溺死する。
ブロア・・・元警部。8番目の犠牲者。大理石で圧殺される。
フィリップ・ロンバード・・・元陸軍大尉。9番目の犠牲者。ヴェラに自分の銃で射殺される。
ヴェラ・クレイソーン・・・秘書・家庭教師の娘。最後の犠牲者。自殺する。
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犯人は、ローレンス・ウォーグレイヴ。
彼は、幼少の頃から自分の性格が矛盾の多いものであることに気がついていた。ロマンティックな夢に憧れ、死を目撃することに病的な快感を覚えている。そして昆虫を捕らえ、殺すことの快楽を味わっていた。
その一方で、強い正義感も持っていた。職業として法律家を選んだのも、そのためだった。
しかし、犯罪を裁くことよりも、自ら殺人を行うことに興味を持つようになっていった。ウォーグレイヴは、前例の無い殺人を行うことを再び夢として持つようになる。そして偶然にも法律の手が届かない殺人が行われていることを知った。
自分がもう長くないことを分かっていたウォーグレイヴは、死に至るまでの時間を華々しく生きたかった。その後、殺人を実行に移すため、協力者にインディアン島を買い取らせた。更にインディアン島を訪れる前には、10番目の犠牲者として協力者も毒殺する。
全てを終えた後、ヴォーグレイヴは殺害されたように見せかけて拳銃で自殺した。
童謡ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
十人のインディアンの少年が食事に出かけた。一人が喉をつまらせて、九人になった。
九人のインディアンの少年が遅くまで起きていた。一人が寝過ごして、八人になった。
八人のインディアンの少年がデヴォンを旅していた。一人がそこに座って、七人になった。
七人のインディアンの少年が薪を割っていた。一人が自分を真っ二つに割って、六人になった。
六人のインディアンの少年が蜂の巣をいたずらしていた。蜂が一人を刺して、五人になった。
五人のインディアンの少年が法律に夢中になった。一人が大法院に入って、四人になった。
四人のインディアンの少年が海に出かけた。一人が燻製のにしんにのまれ、三人になった。
三人のインディアンの少年が動物園を歩いていた。大熊が一人を抱きしめ、二人になった。
二人のインディアンの少年が日向に座った。一人が陽に焼かれて、一人になった。
一人のインディアンの少年が後に残された。彼が首をくくり、後には誰もいなくなった。
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