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化石オタクの変人女子高生にして古生物部の部長まりあが、一人きりの男子部員をお供に繰り出す奇天烈推理の数々とは?『化石少女』を読んでみた

 こんばんは、masakimaryです。

 今回は、化石オタクの変人女子高生が主人公である『化石少女』を紹介します。
 ※ネタバレ注意

内容ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 学園の一角に建つ白壁には日暮れると生徒たちの影が映った。そしてある宵、壁は映し出す、おぞましい場面を・・・。
 京の名門高校に次々起こる凶悪事件。
 古生物部の部長にして化石オタクのまりあが、たった一人の男子部員をお供に繰り出す、奇天烈な推理の数々とは?

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登場人物ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

桑島彰・・・1年。古生物部員。まりあの幼なじみ。まりあのお守り役として入学した。


神舞まりあ・・・2年。古生物部部長。化石オタクで赤点常習者。生徒には奇人変人で有名になっている。生徒会を過疎部問題で敵視している。


荒子武伸・・・3年。生徒会長。剣道部部長。ストイックな武道家風男子。


野跡倭文代・・・3年。副会長。テニス部エース。和風美人。


稲永渚・・・2年。会計。演劇部員。小柄で童顔のため生徒会のマスコット的存在になっている。


中島智和・・・3年。書記。眼鏡のインテリ男子。性格が陰湿。


小本英樹・・・2年。庶務。陸上部員。好青年のスポーツマン。


笹島生人・・・2年。風紀。柔道部員。巨漢。

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第1章 古生物部、推理する
 新入生勧誘のため部室を出ようとした彰は、外套姿の半魚人と出くわす。男は古生物部に保存されていたシーラカンスの被り物をしていた。
 その後、新聞部部長の福井京介が金属バットで殴られ殺害された。福井は生徒会の不祥事を探っており、それが原因で殺害されたと思われた。
 まりあは、変装をして素顔があまり知られない生徒は中島だけと推理した。
 まりあは、書記の中島が犯人だと主張した。


第2章 真実の壁
 体育館の白壁は日が暮れると雄弁に真実を語り始めることから「真実の壁」と呼ばれている。
 部室で文化祭の準備をしていた彰たちは、進行状況の確認に来た生徒会メンバーと、停電の中で女子生徒が殺害される場面を真実の壁を通して目撃する。
 その後、二年の女子生徒・弥生信子が絞殺死体となって発見された。そして、弥生は生徒会メンバーと交際していると仄めかしていたという。
 まりあは、事件当時に真実の壁を見た中で自由な時間があったのは小本だけと推理した。
 まりあは、庶務の小本が犯人だと主張した。


第3章 移行殺人
 彰を勧誘していたクラスメイトの叡電部員・八瀬鞍馬が後頭部を殴られ殺害された。そして文化祭のために製作していた叡電の模型も破壊されていた。また、事件当時には叡電部と対立する嵐電部の制服を来た男が目撃されていた。
 まりあは、八瀬は模型作りでミスをしてしまい、嵐電部の仕業に見せかけて模型を破壊しようと生徒会メンバー狂言の話を持ち掛けたのではないかと疑念を持つ。更に、作業中にシーラカンス男のトリックに気づき、口封じのため殺害されたと推理した。
 まりあは、風紀の笹島が犯人だと主張した。


第4章 自動車墓場
 古生物部の合宿のため学園の宿泊施設を訪れた彰たちだったが、偶然にも同様の施設に生徒会メンバーが宿泊していた。
 そして、化石堀りの帰り道、乗用車の車内で刺殺された男性を発見する。男性は富井譲治という逃亡犯だった。
 まりあは、助手席のシートはかなり前に出ていたので、小柄な人物がいた証拠だと推理した。
 まりあは、会計の稲永が犯人だと主張した。


第5章 幽霊クラブ
 旧クラブ棟の取り壊しが決定され、そこで活動する幽霊クラブ(廃部にされた部活)の調査を生徒会メンバーと依頼した男子生徒・浦田が行うことになる。そこに彰も参加することになったが、旧クラブ棟では、屋上から飛び降りて自殺した女子生徒の幽霊が現れると噂されていた。
 その後、浦田が屋上から転落して死亡する。浦田は幽霊クラブの問題を持ち出して生徒会のイメージダウンを図っていた。さらに、旧クラブ棟で自殺した女子生徒とも交際していたという。
 まりあは、野跡が女子生徒の友人であったと推理した。
 まりあは、副会長の野跡が犯人だと主張した。


第6章 赤と黒~エピローグ
 古生物部に新入部員が加入する。
 まりあがスカウトしてきた二年の馬場は、学年二位の秀才だった。何でも職員室前の壁を見つめていた馬場に目をつけたらしい。
 その後、彰たちは、馬場が生徒会長の幼なじみであることを知る。不審に思った彰は、馬場が次期生徒会長候補であると結論付けた。
 そして、馬場が死体となって発見された。馬場はつい最近まで化石などに興味を持った形跡は全くなかった。
 まりあは、裏切った馬場が許せなかった生徒会長が犯人だと主張した。


 事件の後、彰は稲永が犯人であるとされた現場を訪れた。そこで、まりあの推理が正しいことを確信する。
 このままではいずれ自分が馬場殺害の犯人であることが、まりあに暴かれてしまう。そのため、彰は、まりあの推理を自分以外の人たちに話してはいけないことをまりあに約束させた。

 彰は馬場殺害の犯人だった。
 馬場がまりあと出会った日、馬場は職員室で試験問題を盗み見しようとしていた。そこでまりあが自分を勧誘してきたので、馬場は脅迫と捉えた。
 彰は、馬場のまりあ殺害を阻止しようとして馬場を殺害してしまったのであった。